銀座九兵衛の醤油皿。


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幾年かまえ、銀座九兵衛の大将に鮨を握っていただく機会を頂戴したことがある。藝術と称されるシャリの量を変える職人技に惚れ、そのまま鮨の道を歩まれた方もおいでた晩であった。

 

私は鮨よりも醤油皿に眼について仕方がなかった。小皿に鳥が二羽とんでおり、醤油をいれると、なんとも云えぬ景色がそこにあった。わずか十cm程度の舌先世界の出来事に添えらえれた夕暮れ醤油景色。老舗の永い背景のなかで、ネタは絶妙だと称されたり、味が落ちたと酷されることもあるであろう。しかし、この醤油皿だけはどのようなときも、素朴に味を支えてきたのだとおもう。やはり人も皿も小ぶりに限る。