猫の妙術


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昔の人はなかなか難しいことを、おもしろ可笑しい物語にするのがうまい。『猫の妙術』もそのうちのひとつで、化け物ネズミを様々が猫が退治しようとするのだけれども、肉を極めた猫でも、氣を極めた猫でも、無を極めた猫でもしとめられなかった。結局、化け物ネズミを退治したのは、なんの変哲もない老猫である。

変哲のなさというのは、これがなかなか妙術で、出そうにもなかなか出てこぬ雰囲氣をまとう必要がある。なんも変哲のない人というのは、意外といないものなのだ。上手い字というのも、平凡な字の流れのなかにあるのと同様、上手い人というのは、日々の生活所作に衒いがない。真理というのは何氣ない生活のなかに、常に眠っているものなのかもしれないにゃあ。