夕暮れ、硯、虫。


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 過日、プノンペンで書をかいていると、硯に夕陽がうつっているのにふと氣がついた。それと同時に、墨のうえにまだ虫が居るのにも眼にとまった。たしか小一時間まえにも居た虫で、墨の匂いに惹かれていた奴である。夕焼け小焼けの漆黒に虫がいっぴき。体調を崩しきっていたプノンペンであったけれども、このような一場におもいがけず支えられることがある。