『清風明月』


917201765936   過日の臨川にはイチゴの木が活けられてあった。たれぞやの心に似たる秋の月ではないが、秋月がやけに綺麗に映る夜が増えた。軸も清風明月、西片老師の筆である。老師は『無門関』を残されているのだけれども、その第十五則には、

頌曰

獅子教児迷子訣 擬前跳躑早翻身

無端再叙当頭著 前箭猶軽後箭深

とある。獅子が教育のために子を千尋の崖下に投げ落としたはよいが、惜しいことに翻身の勢いがないこともある。そのときは再び千尋の崖下へ投げ落とすしかない。概して最初の矢は軽いが、後の矢は深く刺さるのである。

ところで老師は、無門関のなかで軍事と実体経済の担い手がいなくなったが故に古代ローマ帝国は滅んだと視ていた。まさに今の日本がそれであろう。ムー大陸は一日で沈んだというけれども、日本列島も急降下しそうだ。老師曰く「千尋の谷に自ら飛び込み、底で修業せにゃらなんぞ」ということである。