『歯車の鏡むこう』


10593173_725789120801020_6557660548793054132_n

昨晩のつづきで、プノンペンの中華料理屋二階で或るフランス人が日本人は金を持っているという話題のなかで、

「だから何なんだよ。生きるために働くことと、働くために生きることは違うだろ」

と云って、麻婆豆腐を食べていた。ありがちな一場であったけれども、今のプノンペンには、祖国の歯車に違和感を抱いて、カンボジアに来る者が少なくない。それだけこの国のシステムが視やすいということなのだろう。歯車の反意語はおそらく、存在なのだ。生まれたときから添い寝している主義の蜃氣楼にこそ、生甲斐が煙草を喫んでいるのかもしれない。